後遺障害等級の認定には、後遺障害診断書というものが基本的な資料として必要です。後遺障害診断書は、その後の後遺障害等級の認定、ひいては損害賠償額の算定の決め手になる非常に重要な資料です。しかし実際に被害者の方が持ってこられる後遺障害診断書は、非常にあっさりとした記載しかないものも見受けられます。
　そのような記載になる理由は色々考えられますが、一つには、被害者の方がその重要性をきちんと理解されていないということが考えられます。
　実際に弁護士のところに交通事故の相談にこられる方は、この後遺障害診断書が発行された段階や、後遺障害の等級認定を受けた後の方が多いのです。しかしもっと早い段階で話を聞くことができれば、後遺障害診断書をどう書いてもらうかというアドバイスもできたのにとか、上位の等級をスムーズに獲得できた可能性があったのにと思うこともしばしばです。
　被害者に過失がない事故の場合は、初期の段階で弁護士に相談する必要はないのではないかと考えたり、相談しても特に聞きたいことも思いつかないなどということもあるかもしれません。
　しかし、今後の手続の流れなどを聞いておくだけでも有用だと思いますので、弁護士費用特約の利用や無料相談等を利用して、早い段階で交通事故の賠償の流れなどを知識として持っておくことは、決して損になることではないと思います。