【震災に思うこと】 (弁護士 細谷)

弁護士ブログ, 細谷弁護士

 北海道胆振東部地震及び台風21号により被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 私は札幌市内のマンションに住んでいるのですが、揺れは震度4、震災後の被害も停電程度にとどまりました。他の被災地と比べ被害の程度は軽いものと思います。しかし、それでも平時と比較して大変な不便を感じました。大きな被害に遭われた方とは比較の対象にならない程度のものですが、震災後の体験について私なりに思うところを述べたいと思います。
     
 地震発生直後、停電でエレベーターが停止しました。外出は階段を利用しなければならなくなり、買い物に行っても、購入した商品を持って部屋に戻るのは大変な労力を要しました。
 高層マンションの上層階に住む方は特に不便を感じたと思います。高齢の方や持病のある方は、階段の昇降ができず、外出も困難だったのではないでしょうか。
 ところで、建築基準法では、高さ31m以上の建物には非常用エレベーターの設置が義務付けられています。非常時でも救助や避難等のために利用できるよう設置されるため、停電時でも一定時間停止しない機能が確保されており、そのための電源と燃料の確保も義務付けられています。
 もっとも、建築基準法上緩和規定が設けられており、31mを超える階数が4階分までであれば非常用エレベーターの設置義務が免除されています。各階の高さにもよりますが、通常は31mを超えた階数は11階程度であることが多いようです。そのため、4階を加えた15階建てのマンションまでは非常用エレベーターの設置義務が免除されることになります。
 我が家も15階建てのマンションですが、非常用エレベーターはありませんでしたので、停電後は一切エレベーターを使用することができませんでした。
 他方、近隣の高層マンションでは、停電直後から発電機の音が鳴りだし、非常用エレベーターが作動していました。ただ、発電のための燃料の備蓄が多くなかったようで、停電から1日持たずに非常用エレベーターは停止してしまい、電気の復旧まで高層階の方は外出もままならなくなってしまったそうです。非常用エレベーターを持つマンションであっても燃料の備蓄が尽きてしまっては発電ができず停止してしまいます。燃料をどう備蓄するかも一つの課題だと感じました。
     
 また、マンションの給水方式の違いにもよりますが、停電でポンプが作動せず水を利用することができないマンションも多かったようです。当然ですが、水が出ないと、トイレの排水は水を外から補充する必要がありますし、風呂に入ることもできません。食器を洗うこともできなくなります。
 我が家は幸い断水しませんでしたので、停電でお湯を使うことはできませんでしたが、水を使うことができました。水を使うことができただけでも大変安心できました。
 札幌でも、水を利用できなくなったマンションが多く、特に高層マンションの方は水を購入しても上層階まで運ぶ必要がある方も多くいらっしゃいました。そのような中、市内の高校生がSNSで仲間に呼びかけ、断水したマンションに住む高齢者の方のために、階段を使い水を居室まで運んでいたとの報道がありました。真似できない立派な行為だと感心しました。

 私はプライベートでキャンプに行くことがあるのですが、アウトドア用品が思いのほか役に立ちました。キャンプ用のランタンを複数持っていたので、夜間の照明として役立ちました。カセットコンロもキャンプ用に使っていましたので、お湯をわかしたり、最低限の調理をすることもできました。
     
 今回の震災では、ライフラインが絶たれたときの生活がいかに脆弱なものか思いしらされました。平時から食糧、水、電池、ガス等の備蓄、ラジオ、懐中電灯等の災害用品を用意し災害に備えることの必要性を再認識いたしました。

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