【夫の借金返済を、妻に課すことはありません。】 (弁護士 小寺正史)

小寺弁護士, 弁護士ブログ

 会社の経営者が、破産の件で相談に見えられた折、「妻と離婚しました」と話されることがあります。事情を伺うと、社長は個人保証をしており、妻に迷惑がかかると思ったからとのことでした。しかし、妻は保証人でない限り何らの法的責任はありません。したがって、離婚しなくても何も問題はないと伝えることがあります。

サラリーマンでも、夫がサラ金で支払えなくなると離婚しなければならないと考える人もいるようです。昔は債権者が自宅に押しかける等トラブルがありましたが、現在はそのようなことはありません。
 ヤミ金はかなり無理な取り立てをしますが、弁護士や警察が中に入ると引っ込みます。したがって、ヤミ金から借りて困ったとしても、直ちに弁護士に相談すれば、それほど混乱はしません。
 したがって、借金が原因で離婚する必要はありません。

 ただし、夫が遊興費のためにサラ金からお金を借りた場合には離婚に至ることが多いように思います。これは、借金の取り立てを心配してというより、借金までして遊ぶことが許せないという妻の気持ちが大きいようですが。

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