慰謝料がもらえる?もらえない?

交通事故

 テレビドラマの世界では慰謝料弁護士なる方がいるそうで、「イシャリョウ」という言葉は、もはや市民権を得ている単語になっているのかもしれませんが、交通事故による損害賠償でも、慰謝料という言葉をよく聞くと思います。
 慰謝料とは、一般的に、精神的苦痛を慰謝するための金銭と考えられますので、いわゆる人身事故の場合は、分かりやすいと思います。被害者が亡くなってしまった場合には当然ながら、怪我をした場合にも、入院や通院の期間に応じた慰謝料、後遺障害が残った場合の慰謝料が認められます。
 それでは、物損事故の場合はどうでしょうか。
 例えば、新車を購入したばかりで事故に遭ってしまった、とても気に入っている車で愛着のある車だったというような場合には、事故で大事な車が壊れたということによる精神的苦痛を感じるということもあるでしょうし、修理代等だけでは納得できないということもあると思います。
 しかし、残念ながら、実務的には、物損事故の場合の慰謝料は、原則認められないと考えられていますので、よほど特殊な事情がなければ難しいということになります。
 ところで、ペットブームの世の中のようですから、車にペットを乗せてドライブされる方も多いと思いますが、事故でペットが怪我をしたり、亡くなってしまったらどうでしょうか。
 ペットも生き物なのだから、人と同じで当然に慰謝料が認められると思われるかもしれません。しかし、法律的にはペットは「物」という扱いですので(動物好きの方にとっては、違和感があるかもしれませんが)、物損事故という扱いで、当然に慰謝料が認められることはありません。ただし、飼い主とペットとの関係によっては、慰謝料を認める裁判例もありますし、動物と人間との関わりについての社会の感覚の変化によって、今後は、このような例が増えていくのかもしれません。

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