【実用新案とは?】 (弁護士 松田竜)

松田弁護士

 実用新案とは,物品の形状、構造又は組合せに係る考案の保護を図る制度であり,「発明」を保護する特許よりも高度なものでなくても良いとされています。
 平成5年改正以降,特許庁に実用新案の出願があったときは,形式的な要件さえ備わっていれば,無審査で登録されることになりました。
 実用新案の登録がされると,実用新案権者は,実施権を専有することができます。具体的には,無断使用に対する差止請求や損害賠償請求をすることが考えられます。
 ただし,実用新案は無審査で登録されるため,新規性や進歩性がなく,無効なものも含まれている可能性があります。
 そこで,実際に権利を行使するためには,特許庁から「実用新案技術評価書」を取得し,相手方に提示して警告した上で行う事が必要です。
 「実用新案技術評価書」には,実用新案の有効性を判断するために有用な情報が記載されています。
 原則として,いつでも誰でも,特許庁に「実用新案技術評価書」を請求することが可能です。
 実用新案権の存続期間は,平成16年改正以降,出願から10年間に延長されました。
 

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