婚姻費用の算定で考慮すること
離婚前の別居期間でも、生活に必要なお金を婚姻費用として支払う制度があることは前にお話しをさせていただきました。
婚姻費用の分担義務は、自分の生活レベルと同程度の生活を維持させる義務とされていますので、支払う側からすると負担の重い義務であるといえます。
具体的な金額については、裁判所が作成した算定表に基づく場合が多くなっています。この算定表はインターネット上でも見ることができますので、ご自身でも妥当な婚姻費用の額の目安を知ることができます。
では、必ず算定表の金額どおりに婚姻費用が決まることになるのでしょうか。算定表の金額では不合理ではないかと考えられる場合を2つほどご紹介しましょう。
支払いを受ける側が実家で生活し、家賃負担をしていないような場合があります。支払う側としては、家賃負担がないのだから婚姻費用を減額してもよいのではないかと考えるでしょう。このような場合は算定表の金額を基準とし、家賃負担がないことを考慮して金額を決めることになります。そのため、算定表よりも低い金額となるといえます。
逆に子どもに重い病気があり、医療費の負担が大きいケースなど算定表の金額では生活費が不足するというケースもあります。このような場合は、算定表よりも高い金額の支払いが認められることがあります。