高齢者が安心できる「財産管理」の知恵
架空の投資話などを持ちかけられ多額のお金をだまし取られる事案が後を絶ちません。
特にご高齢の方を中心に、「お金をだまし取られないか不安だ」「財産を守るのにはどうしたらよいのだろうか」というご相談をいただくことが増えてきました。
ご相談を受けたときに提案するのは財産管理の委任契約と任意後見契約を結ぶという方法です。
その中でも多いのはご自身で財産管理できるうちは、ご自身に年金の管理をしていただき、大きな財産についてはご家族や弁護士等信頼できる人物に預けた上で、旅行に行く、グループホームに入所する、孫の学費を支払うなど大きなお金を動かす際には預けたお金を使うという方法です。
このような財産管理をしておけば、大きなお金を動かすにはお金を預けたご家族や弁護士に頼まなければなりませんから、騙されそうになってもご家族や弁護士のチェック機能が働き被害を未然に防ぐことが可能になります。また、騙されてしまってもご自身で引き出すことができるお金はそれほど大きなものではありませんので、被害を最小限に食いとどめることができます。
その後、判断能力が落ちてしまった場合には、年金の管理も含め財産管理を依頼した任意後見人が財産管理を行うことになりますので、被害に遭う可能性が低くなります。
ご注意いただきたいのは、財産管理の委任契約や任意後見契約は判断能力が落ちてしまった後にはできなくなってしまうことです。財産管理に不安があるというような方は、元気なうちに弁護士等の専門家にご相談いただくことが大切です。