【小学1年生の歩行中交通事故について】 (弁護士 細谷)
今年は例年と比べ雪解けが早く、既にマイカーを夏タイヤに履き替えた方もいらっしゃるかもしれません。これからドライブに行く機会も増えてくることかと思います。
ところで、4月と言えば入学のシーズンです。
道すがら元気よく登下校している小学1年生を見かけるようになりました。
先日、公益財団法人交通事故総合分析センターの統計を見る機会があったのですが、これによれば、調査を開始した平成6年から直近調査時の平成27年に至るまで、全年齢を通じて7歳児の死傷者数が突出して多かったそうです。
就学前には保護者が付き添って外出することが多かった子供が、入学後に子供だけで行動したり、保護者から離れて行動する機会が増えることが要因の1つとされています。
以下、統計で報告されている7歳時の事故の傾向について、何点かご紹介します。
まず、小学1年生に特徴的な傾向として、入学してすぐの4月よりも徐々に学校生活に慣れ始めた5月から6月にかけてのほうが事故が多いそうです。入学直後は、集団登下校が行われていたり、緊張して登下校していたのが、徐々に慣れてきて安全への意識が薄れてくるのではないかと指摘されています。
また、平成27年の統計では、男児の死傷者数が女児の約2倍以上多かったそうです。
男児の方がやんちゃで危険な行動を取ることが類型的に多いのでしょうか。
最近の傾向として、急な飛び出しによる事故は減っていないようですが、横断歩道外の横断や斜め横断など、横断に関する法令違反自体は減少しているとのことです。
子供が交通ルールをきちんと守っていても、背が低いため車や物のかげに隠れてしまい、ドライバーからは姿が確認しにくい場合があります。また、子供は好奇心が旺盛で遊びに夢中になり周囲の状況が見えなくなってしまい、横断歩道を横断する場合であっても、急に道路外から進入してきたりすることも多々あります。
人間の目だけではなく、カメラにより衝突を回避したり軽減する安全装置を備えた自動車も事故防止のために有用ではないかと思います。
我が家にも未就学の男児がおりますが、保護者としてあらためて交通事故に遭わないよう継続的に交通安全について指導すると同時に、一ドライバーとしても気を引き締めなければいけないと思った次第です。