【気になる代行サービス】(弁護士 熊谷)
「退職代行」という新たなサービスが広まりを見せているようです。法律上,労働者は自由に退職することができますので(ただし予告期間はあります),退職届を無視するようなブラック企業でもない限り,退職について業者に委託するメリットは大きくないようにも思われますが,「言いにくい」「顔を合わせたくない」という心理的負担が,こうしたサービスの需要を高めているのでしょう。ただし,退職の条件の交渉なども「代行」してしまうと,弁護士法の問題が生じるので注意が必要です。
最近は,かつては考えられなかった様々な代行サービスが巷に出回っているようです。気になるものをピックアップしてみました。
・宿題代行
法的にはグレーです。高校以上であれば在学契約への違反の問題が生じるかもしれません。ただし,お金を払う親がいるのかが不明です(小遣いで頼む?)
・墓参り代行
やはり法的には問題ありませんが,道義的は異論があり得るところでしょう。
・謝罪代行
これも法的には問題ありません。ただし,逆効果となり,最終的にご本人がより深く謝罪する羽目にならないか不安です。
・呪い代行
呪うこと自体は法的に問題ありません。ただし,相手に害悪を告知すると脅迫に該当するので,相手に知られずに呪ってもらうよう注意が必要です。