【オンラインだけに頼る危うさ】(弁護士 小寺正史)

小寺弁護士, 弁護士ブログ

 最近、コロナウイルスの対策の一環として、会議や大学の講義などでオンラインが利用されるようになっています。実際利用してみると便利ではありますが、十分なコミュニケーションはとれていないように感じています。
          
 平成30年に著作権法が改正され、補償金の支払を条件に教育現場でネットの利用が大幅に認められようになりました。ただし、この改正は来年から施行される予定でした。しかし、コロナウイルスによる教育現場の必要性と緊急性から、急遽施行される事になりました。さらに、それだけではなく、令和2年度は補償金が不要となる特別処置もされています。
          
 私はいま、小樽商科大学で知的財産権の講義を担当させていただいており、ZOOMを利用して講義をしています。小樽商科大学のサテライトに出向き、パソコンに向かって講義をし、受講生は自宅などでオンラインで受講しています。一応、受講者の顔は見られますが、反応が今ひとつ掴みかね、理解がいっているのか判断できず苦慮しています。
          
 会議などでも、評決をとるなどのことは可能ですが、参加者の微妙な意見を汲み上げるようなことは難しそうです。参加者が発言者の意見をどのような態度で聞いているかなどによって、場の雰囲気が作られていきます。この場の雰囲気は会議では結構重要なことと思います。
          
 今回のコロナ騒ぎを契機に、これから益々オンラインの利用が進むと思います。しかし、直接会って議論する方法も組み合わせないと、コミュニケーションとしては不十分であり、実りある会議は難しいのではないでしょうか。

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