【オリンピック担当者の解任や辞任について思うこと】(弁護士 小寺正史)
オリンピックは、新型コロナウイルス感染の影響で開催が危ぶまれていましたが、なんとか開催され、日本選手の金メダルに沸いています。
ところで、オリンピック開催直前に、担当者の辞任や解任などの騒動が続きました。この担当者の辞任や解任の理由が、20年以上前の言動でしたが,SNSで炎上したことから問題とされたようです。今回の辞任・解任の是非はともかく、20年以上も前の若い時代の言動が問われたことに違和感を感じました。
この問題について、ある大学教授は「未来の人にどう受け止められるかを想定していなかったのは、表現者として言い訳にならない」とコメントしていると報道されています。しかし、若い時に冷静に判断できないことは多々あり、「未来の人にどう受け止められるかを想定」して行動することは非常に難しい要求と思います。
この問題について、別の大学教授は「時効無き人格否定」につながるとして懸念していると報道されていました。私も同感です。
弁護士・弁護士会は、少年事件において少年の更生を信じて弁護活動をしています。少年時代の過ちが終生許されないとすると、人間の可能性の否定につながります。
若いときに何をしてもいいということにはなりませんが、反省して新たな人生を切り開いているならばエールを送りたいと思います。
SNSで炎上することはこれからも予想されますが、その都度、魔女狩りのように制裁を受けるのはいかがかと思いました。