【魅力度ランキングは本当の魅力を表しているか?】(弁護士 小野田)
今年の魅力度ランキングで最下位となった栃木県の知事さんが,84の調査項目の1つに過ぎない「魅力度」の順位が総合的な評価と誤解されている,などと指摘した上で,調査会社に対して①総合的な評価指標の新設,②回答者への事前の情報提供,③回答者の増加による精度向上を求める申入れを行った,というニュースを見ました。
調べてみると,毎年発表されるこの調査結果は,株式会社ブランド総合研究所が実施している「地域ブランド調査」によるもので,「魅力度」だけではなく,認知度(よく知っているか否か等),情報接触度(見聞きしたことがあるか等),居住意欲(住んでみたいか),観光意欲(観光に行ってみたいか)等のほか,地域資源評価に関わる項目(「街並みや魅力的な建造物がある」など16項目)や,まちのイメージに関わる項目(「歴史・文化のまち」など14項目およびイメージ想起率)など,84項目にわたる質問が設定され,これに対するアンケート調査の回答(5段階評価等)に基づきまとめられたものなのですね。
そして,そのうちの一項目である「魅力度」は,都道府県や市町村について「とても魅力的」「やや魅力的」「どちらでもない」「あまり魅力的でない」「全く魅力的でない」という5段階評価の回答をまとめてランキング化したもののようです。
確かに,そうなると,「うちの県は交通の便もいいし,子育て環境も整っているし,産業だってあるのに,単なるイメージの調査に過ぎない魅力度ランキングだけですべてを判断してもらっては困る。」などと言いたくなるのも分かるような気はします。
ところで,わが北海道は,魅力度ランキングで12年連続1位でした。なんとなく優越感を覚え,下位争いを見て「下界のこと」といった見下した気分でいるのも否定できません。
しかし,魅力度が単に魅力を感じるかどうかの5段階評価によるものに過ぎないということを知ってしまうと,必ずしも努力によって勝ち得たものでなく,実はその基盤はもろいものなのかもしれない,などといった不安も生じてきますね。
人を見下している場合ではありませんでした。住みよい,本当に魅力的な北海道を作り上げていくことが重要ですね(何かに立候補しようとしているわけではありません。)。