【徳川家康の遺訓に思うこと】(弁護士  小寺 正史)

小寺弁護士, 弁護士ブログ

 現在、NHKの大河ドラマで「どうする家康」が放送中。にわかに徳川家康についての関心が高まっています。家康といえば、「人の一生は重荷を負いて遠き道を行くが如し 急ぐべからず・・・」という書き出しで始まる遺訓が有名です。掛け軸にされたり、額にされたりして、役員室や書斎に掲げられている方も多いのではないでしょうか。
 ところが、先般、ある歴史学者の講演会に参加したところ、この文章は明治時代に創作されたものであり、徳川家康の遺訓ではないとの説が紹介されました。ネットで検索したところ、確かに明治時代に創作されたとの説が有力のようでした。
          
 徳川家康に関しては多くの記録が残されています。もし、徳川家康の遺訓が後世に創作され、しかも、それが本物としてまかり通るなどということは不思議なことです。
 私たちが真実と思っていることが、実は誤って伝わっていることは多数あるのでは?という思いに駆られました。今、世の中には、情報が山のように流失してますが、何が真実で、何がフェイクなのかをきちんと見分ける必要があるものと改めて痛感しました。
             
 なお、徳川家康の遺訓として伝わる文章は、人生に対する戒めとして大切なことが多く含まれていると思います。家康の遺訓であるかないかに係わらず、この文章を役員室や書斎に掲げている方は、日々目にして人生の指針として大事にされてはいかがでしょうか。

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