【法律相談について】(弁護士 堀岡)
異なる弁護士に法律相談をした結果,違う説明をされた,という経験がある方もいらっしゃると思います。同じことを相談しているつもりなのに,弁護士によって説明が違うとすれば,それはなぜなのでしょうか? いくつか理由が考えられます。
1つ目は,弁護士によって法律知識に違いがあるというものです。本来であれば,~という法律上の主張が可能なのに,A弁護士はそれに気付かなかった,又は忘れていた,ということがあり得ます。法律上も難しい事案であれば,こうしたこともあるでしょう。
2つ目は,相談者が説明した事情が異なるというものです。その事情が法的な観点から重要であれば,当然,法的な結論も変わることになります。相談時間が限られていたので話す時間がなかった,その時は重要だと思わなかった,または忘れていた,といった理由で,A弁護士には説明しなかったが,B弁護士には説明した,ということは十分あり得ることです。もちろん,B弁護士がうまく問いかけをして,相談者からその事情を引き出した,ということもあるかもしれません。
3つ目は,A弁護士とB弁護士のスタンスに違いがあるというものです。実はA弁護士とB弁護士は考えていることは同じだけれども,A弁護士は安心してもらおうと思って前向きな話をし,B弁護士は後で落胆させないようにリスクを強調して話をする,ということはあり得ます。
他にも理由は考えられるでしょうが,弁護士によって説明が異なることは十分あり得るので,違う弁護士に相談してみることには意味があります。特に,説明に納得いかない場合には,違う弁護士に相談すると良いでしょう。いずれにしても,法律相談を受ける際には,話し忘れ防止や相談時間の有効活用のために,予め出来事を時系列にしてまとめておくことをお勧めします。