離婚に伴う、子どもへの責任について
今回は離婚に伴うお子さんに関する問題を説明します。
1 親権について
離婚の際に未成年者のお子さんがいる場合、必ず夫婦のどちらが親権者となるかを決めなければなりません。
夫婦の間の話し合いで決められない場合には、どちらの親元で育つのが子どもの成長にとってよいのかという観点で裁判所に判断してもらうことになります。
親権を決める際に重視されるのは、子どもの側の事情として、年齢・性別・発育状況・意思・従来の生活環境・新しい環境への適応能力などです。
また、親の側の事情としては,生活状況・子どもを監護する能力・健康状態・経済力・居住環境・教育環境・子どもに対する愛情の度合い・親族に子どもを監護することについて協力できる人物(監護補助者)がいるかなどです。
離婚に際し、親権のことが気にかかっている場合、早期にご相談いただくことをおすすめします。
2 養育費について
養育費とは、子どもが独立して自力で生活できるようになるまで、子どもを責任もって育てるために必要な費用です。
「養育費の相場はいくらぐらいでしょうか?」というご質問をいただくことがよくありますが、実は相当な養育費の金額を一律に決めることはできません。
養育費の金額は、父母の収入、子どもの人数・年齢などを考慮して決めることになっているからです。ちなみに、養育費を支払う側の親は,子どもが自分と同程度の生活ができるように費用を負担する義務があるとされていますので、支払う側にとっては重い負担となるケースが多いようです。
特に子どもを引き取って自分で育てたいとお考えの場合、養育費の金額は離婚後の生活設計にも大きな影響がありますので、離婚のお話し合いを始める前にどの程度養育費を支払ってもらえるのかについてご相談をいただくのがよいと思います。